音楽著作権の動向について

 お知らせ

 

 この度JASRAC(日本音楽著作権協会)とNMRC(ネットワーク音楽著作権連絡協議会)との間でインターネットでの音楽著作物使用料についても合意が行われ、個人の開設する無料サイトで使用するMIDIなどについての課金方針が発表されました。

 その結果著作権の有効なもの(作曲者・作詞者の死後50年を経ていないもの)のMIDIを掲載したりBGMに利用したりするためにはJASRACに申請を出して月いくらとかの著作権使用料を支払わなければなります。
 金額についてはまだ未定ですが今年2000年9月30日以降に公示され、半年ほどの周知期間を設けてから実施される予定です。

 もしそうなれば現在MIDIなどを利用したりしているサイトは申請と毎月の費用が必要となりますし、MIDIなどの音楽を扱っているサイトの殆どは閉鎖するか海外のサーバーに移転せざるを得なくなります。

 私はこの事実がまだ多くの方々がご存知ないことに憤慨を感じ取り敢えずネットでこの情報を広めたいと思いここに記した訳です。
 出来ればこの事実を一人でも多くの方々に知って頂いて、ご賛同いただける方はこのページをダウンロードして皆さんのホームページにも掲載していただきたいと思っております。

音楽著作権とは

 当然その曲の作詞者、作曲者に属するもので、これは犯しがたい権利です。またその著作権の有効期間は作詞者・作曲者の死後50年となっていますから、厳密に言えば歌謡曲などは勿論のこと殆どの童謡などもまだその期間が過ぎたものは少ないのが現状です。
 その配信方法によって各種の利権がからんで来ますが、CD等からのコピーには当然作詞者、作曲者、歌手、演奏者、CDならCDの発売社等の利権が絡んで来ます。
 また自分でMIDIに加工している場合は、作詞者、作曲者、DTMソフトを使っていればそのDTMソフトの会社が利権者となりますが、この場合ほとんどのDTMソフト会社はDTMソフト名をどこかで表示していればその権利は行使しないという場合が多いようです。

 JASRAC と NMRC とは

 その交渉をしていたのがJASRAC(日本音楽著作権協会)とNMRC(ネットワーク音楽著作権連絡協議会)です。
 カラオケなどの有料サイトの場合はその配信の方法によって多少異なりますが、なにがしかの売り上げのパーセンテージを納めることでとりあえず、2000年3月までの話はついていましたが、JASRACからは今後は売り上げのみならず掲載自体に一曲いくらと要求してきていてなかなかまとまらなかったのですが再度2000年9月30日まで暫定期間を延長し、それ以降は今回の合意内容に沿って実施されることになりました。
 次に肝心な私達のような無料サイトの場合ですが、これに関してはまったく進展が無かってNMRCも業界の権益を先に論じていましたものですから、一般の個人のホームページの問題の決着はまだまだ先になりそうでしたけど、今回の合意をきっかけに一気に無料サイトへの課金も利用者の知らない間に合意されてしまった次第です。
 今回の合意まではJASRACの言い分は一曲一律月100円を提案していましたが、今回の合意内容では金額まではまだ明示されていません。ただ個人ユーザーであるということを考慮して大きな負担にならない程度にと言う表現だけですが、掲載する曲の数によって課金を変えるつもりのようですし、例え1曲でもBGMなどに利用すれば課金する方針のようです。−参考ページ

JASRAC(日本音楽著作権協会)とは

 ご存知のように日本中の音楽著作権物の管理の元締めですが、実際はあくまでも作詞者や作曲者から著作権の管理の委託を受けたものに関してのみ権限を持っています。
 最近はJASRACに管理を委託しないで事務所で管理している曲もありますし、現在のところはゲーム音楽やアニメ音楽の管理は行っておりません。

ホームページ http://www.jasrac.or.jp/
あまり見ても面白くないサイトです。
著作権者の一方的な意見ばかりです。(^^;)


NMRC(ネットワーク音楽著作権連絡協議会)とは

 (社)音楽電子事業協会、(社)デジタルメディア協会、(社)日本テレコムサービス協会、電子ネットワーク協議会、日本インターネット協会、日本地域プロバイダー協会、(社)コンピュータソフトウェア著作権協会、(社)日本レコード協会、UBA(オープンシステム推進機構)の9団体によって発足した任意団体で、平成9年8月29日に発足以来JASRACとのネットでの音楽著作権問題について交渉を行っています。

ホームページ http://www.impress.co.jp/nmrc/
ご意見箱もありますが苦情が多いせいかフォームだけで
プログラムは閉鎖されています。(^O^)

今までの認証を受けるための条件

 今まで有料サイトではJASRACの認証を得て、月々の売り上げに見合う著作権使用料(あくまでも2000年3月までの臨時処置)を支払っているサイトはカラオケ等で結構ありますが、私達のような個人の無料サイトで認証を受けているサイトはありませんでした。
 JASRACの主張していました個人サイトの申し込み様式としては計画書、使用曲名、作曲者名、作詞者名等々の膨大な書類を添付し、無料サイトの使用基準(金額)が決まればさかのぼってそれに見合う金額を納付するという念書を入れれば可能であるとしていましたが、その申込書類は存在しませんでしたし、現実に申し込みにJASRACを訪問した方もおられますが、過去に個人に許可した前例が無いとのことで受け付けてもらえなかったようです。
 ただ最近はいつのまにか用紙を用意し、BGMなどへの使用で月1曲当たり500円で受け付けているようです。これは実施前の実績作りのためだけとしか考えられません。

今後の展望

 もし今回の合意が実施されれば現在のMIDIサイトは有料以外殆ど全部閉鎖するか海外のサーバーに移転せざるを得なくなります。
 またホームページでBGMを使用しようと思えばわざわざJASRACへ出向き申請書類を書いて月1曲いくらかの使用料を払わなければならなくなりますので、結果としては殆どのホームページから音楽が消え去ってしまうことになります。

海外の実状

 詳しくは知りませんが、NMRCなどのデータを見ますと、Webにホームページが存在し、かつまたその中では音楽を使用されるのは当然でありますので、アメリカではプロバイダにWeb契約料の0コンマ何パーセントを徴収しているらしいです。
 これが一番妥当な線だと思われます。各個のホームページに掲載される曲数によって徴収するなどという案は、一体どういう根拠で出た話なのか信じがたいものです。曲を増やしたり掲載したりするたびに申請書類を書いたりとても出来る訳ありません。
 また実際にJASRACもどうやって日本中の数多くのサイトからの申し込みを受け付けるつもりか理解しがたい面があります。

今後の対応

 対応と言っても利用者不在で進められている話なのでどうしようもありませんが、取り敢えず一人でも多くの方々にこの事実を知っていただいて啓蒙活動を行うしかありません。
 一つでも多くのホームページでこの問題を取り扱って頂いて、それをネット利用者の意見としてプロバイダなどに働きかけが出来ればと考えております。

最後に

 とどのつまりは、JASRACへの悪口になるのですが、肝心なことは、これらによって集められた著作料の殆どが丼勘定で、その曲の作詞者、作曲者等のミュージシャン達に公平に支払われていないって事です。数円の著作料を分配するに至るシステムを作るのに、莫大な費用が掛かるとの事で、無名のミュージシャン達が音楽で飯が食えないのは、このせいだと考えられます。JASRACはこの弱肉強食の世界をキチンと清算し、音楽をビジネスとして捉えるのではなく、感性の動物人間が作った素晴らしい「芸術」として管理体制を置いて欲しいものである。

 

 

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